最強の車の売り方

成績最下位からそこそこ優秀までになった最強の車の売り方を語ります。

車を売る具体的な手順②

車を売る手順の2回目です。1回目と同様にロープレ風の会話調で書きます。その後にポイントを説明します。

 

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<商談のステップ>

①お出迎え&ご用件伺い

②展示車説明 ※今回の範囲

③デモ

④査定

⑤見積もり

⑥購入意思確認(いわゆるクロージング)

⑦条件決定

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■会話の例

 

(前回の続きから)

営業「アクアのことはインターネットとかでご存知でしたか?」

お客様「そうですね。」

営業「どういったところが気になっていらっしゃいますか?」

お客様「音がうるさくないかな、と思ってね」

営業「あ、そうだったんですね。アクアは音は静かと言っていただけているんですよ。以前ご購入頂いた客様で以前は軽に乗っていらっしゃった方は、小さなお子様が怖いのかあまり車に乗るのが好きじゃなかったんですよ。それがアクアに変えてからは安心できるのか落ち着いて乗れるようになりまして。それまでは近場のスーパーにいくのも嫌がっていたそうなのですが、旅行にも行けるようになったと喜んでいらっしゃいました。ご家族の中も良くなったとまでおっしゃっていただけました。」※ポイント1

お客様「へー、そうなんですねー。」

営業「音の事を気にしていらっしゃるのはどうしてでしたか?」※ポイント2

お客様「いまの車だと高速にのったときとか、後ろの席と喋りづらいんですよね。」

営業「なるほどですね。高速にはよく乗るんですか?」※ポイント2

お客様「しょっちゅうじゃないですけどね。音楽も聞こえづらくなったりしますしね。」

営業「たしかに、そうですよね」

営業「音以外にもなにか気になっているところはありますか?」※ポイント3

お客様「荷物乗せるところはどうなっているの?」

営業「荷台はこれぐらいの大きさですね。荷物を乗せることもあるんですか?」

お客様「XXXを載せますね」

営業「XXXだったらXXXXなので、XXXですよ。」(※ポイント1の説明を参照してください)

お客様「そうなんですね」

営業「他にもご検討していることはあるんですか?」※ポイント4

お客様「フィットハイブリッドもどうかなと思ってますよ」

営業「そうなんですね。音の点で言うとフィットハイブリッドは○○○で、アクアの場合はXXXですよ。」※ポイント5

お客様「へー、そうなんですね。」

営業「音の静かさはアクアはかなりいいですね。展示車だとちょっと試せないので、ぜひエンジンがかかる車で試してみてください。」※ポイント6

(そのまま試乗車へ連れて行く)

 

■会話の意図、ポイント

※ポイント1

商品の説明をするときは数字やスペックではなくて、その機能でお客様がどういう体験をできるのかを説明するとgoodです。

例えば、音の話だと

「コンパクトカーはXXデシベルぐらいが多いのですが、アクアはそれよりも30%も静かです。」

「フロントガラスに遮音性の高い素材を使っています」

と言われても、お客様としてはいまいちピンとこない場合が多いです。

 

「静かだから、お子さんも安心して乗れる。安心して乗れるから、旅行に行けて、家族も仲良くなった」のようにその機能があるおかげでお客様の生活をどう変えて、その結果お客様にとってどんないいことがあるのかをイメージできるかを説明しましょう。

 

これは即興をするのはかなり難しいので、数パターン用意しておくといいと思います。

 

※ポイント2

なんでだろう?と思うことがあれば遠慮しすぎることはありません。率直に聞いてしまいましょう。ただし、率直に聞けるのはステップ①のお出迎え&展示車説明のときから会話を交わして「だまくらかして売りつけてくるかもしれない営業」から、最低限でも「まあまあ普通の営業」まで警戒心を解かなくてはいけません。聞くときはちょっとドキドキしますが、きになることは自然に聞いちゃいましょう。

 

逆に何の脈絡もなく「ご家族は何人ですか?」「通勤で使いますか?」「奥様も運転されますか?」など聞いてしまうと一気に売り込もう、押し付けよう感が出てしまいます。

 

「このお客様は車でどこに行くんだろう?」「何に使うんだろう?」と「そもそもどういう人なんだろう」と相手に関心を持っていれば気になることは自然と出てくると思います。それを聞いていけばいろいろなことがわかります。

 

※ポイント3

例えばアクアを検討されているのならば、営業はほぼ100%燃費がいい、という話をしたいと思います。でもそれをお客様が聞きたいとは限りません。営業はお客様の役に立つために、お客様が気になっている、確かめたいことだけを話しましょう。その気になっていることは警戒心がとけていれば、営業が思っているよりもすんなり教えてくれます。なぜならば、お客様も車を買いたい、車選びを失敗したくないと思っている方が大半なので、親身にアドバイスをくれる営業ならば教えてほしいと思っているからです。繰り返しになりますが、押し付け感を持たれたり、この営業は使えないな、と思われたらその時点で売れる可能性はめっちゃ下がります。

 

※ポイント4

競合車のことはぜひ知りたいですよね。これは単純に警戒心が解かれている、薄くなっているぐらいだと教えてくれません。なぜならば、他に検討している車があることを言うということは車を買う意志があると言っているも同然だからです。(アタリマエのことを偉そうにすみません。)

 

その意思表示をしてもらうにはこの営業なら話をしても良いと信頼して貰う必要があります。※ポイント1で説明した「お客様はその機能で何を体験できるのか」をお客様が関心のあるポイントに絞って2~3点説明できれば相当信頼されると思います。その時点で堂々と、でも失礼になることなく聞きましょう。

 

※ポイント5

競合を聞きだしたら、その車とアクアを比較して、何が違うのかを説明しましょう。これもやはりどういう体験ができるか、で説明できればgoodです。これをするには競合の車のことを知らなければならないのですが、大切な点なので別記事で説明します。

 

※ポイント6

これまでもそうでしたが、話を変えて次の手順に進めたいときはお客様に意思確認をする必要はありません。展示車みますか?試乗しますか?と聞かずに営業が商談をリードしましょう。

 

押し売りはだめだと言っておきながらお客様の気持ちを確かめず、無理やり進めているように感じるかもしれません。これは大変むずかしいのですが、展示車をみることも、試乗をすることもお客様にとっては基本的にはいいことだと考えています。売り込まれたくないから今日はカタログだけ貰って帰りたい、と思っていても、売り込まれずに安心して見れるならば実際の車を見てみたいと思っていると考えています。であれば、売り込まずに、安心して見ていただく。そのために天気の話などで変な営業ではなさそうだと感じていただき、お客様の関心があることに絞ってこの車お客様にとってどのように良いのか説明するのが営業の仕事と考えます。

 

その一方でやっぱり試乗を提案して断られるとそこで商談が終わってしまうので、「エンジンがかかる車で音の感じを試してみてください」と試乗車までエスコートする感じです。このときに試乗車、という言葉を使うと売り込み感が出てしまうので、必ず”エンジンのかかる車”という言葉を使ってください。もちろん”音の感じ”の部分は実際のお客様の関心があることに置き換えてください。

 

■まとめ

  • 商品の説明はスペックや数字ではなくこの車で何が体験できるかを語る
  • お客様に関心をもって気になったことは率直に、自然に、聞けば教えてくれるし失礼にならない。
  • 商品の説明はお客様が関心があることだけを語る。そのために何が気になっているのかを聞く。
  • 数点関心があることについて説明したら競合車を聞く
  • 競合車と比べて自社の車はどう違って何がいいかを語る
  • 試乗を進めるために試乗しますか?と聞かない。「展示車だとちょっと試せないので、ぜひエンジンがかかる車で試してみてください。」などと言って試乗車まで連れて行く。